いつだって、
失った後に欲しがる

自分の手の届かないものとなった時
欲する感情が芽生える
それまでに
何度となく非常ベルは鳴っていたのに
それまでに
何度となく赤い血で染まっていたのに



人は何を需めているのだろう
需めなくては生きていけないから
という理由だけしか持ち合わせていないのに
人は何を需めているのだろう
人に対して
物事に対して

欲するその姿は
宇宙という暗闇で
彷徨い続ける迷い人

決して見つからないのに
決して手に入らないのに
決して満たされないのに
もがき続ける
飢えた生き物